夢日記
行ったことないけど懐かしい街並。
会ったことないけど懐かしい友達。
””此処はドコ?君はダレ?俺はオレ?”“
わからない。昔から知っていたような気がするけど。
抜けるような青空の下。海の見える街。
坂を下って行く。誰かに頼まれていた気がする。買い物。
坂を下り切った角。右に曲がり八百屋に入る。
誰も居ない店内。丁寧にディスプレイされた野菜。
声をかける。すいません、野菜を買いたいんですけど。
返事はない。なんだか外がやけに騒がしい。
ケータイに着信があったので画面を覗く。緊急災害速報。
急いで屋上に出る。何が起きているのか確認したい。
街にはもうほとんど人は居ないようだ。
ちらほらと走っている人影。焦っているように見える。
うるさい音と強風に気付いて顔を上げるとヘリコプターが近づいてくる。
””掴まって下さい”“
メガホンのような声とほぼ同時に、目の前に黄色いロープが垂らされる。
空の向こうが赤く光る。
早く。早く掴まないと。早く。
体が熱い。死ぬ。どうすればいいかわからない。
熱い。目の前が白い。ロープがちぎれる。
足が溶ける。熱い。
消える。頭の中が消える。白く。
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大きくて綺麗なショッピングモール。
少し遠くで初めて見る機械が行き交う。
見慣れた女の子が目の前に居る。
””タイムリミットは45分です”“
感情のない声でアナウンスされる。
スピーカーじゃない。頭の中で声が響く。
””早く行こう”“
俺の手を引いて女の子は歩き出す。
何がなんだかわからない。
買い物するの?今から?なんで?此処ドコ?
””買ったの。時間。”“
なに?どういうこと?わからないよ。
ついさっきまで居た場所は?どうなったの?
なにも理解出来ないまま引っ張られる。
壁にはよくわからないスポーツの広告。
LEDかなにかの掲示板だろうか。
””ネックレスが欲しい。選んでよ。”“
なるほど。ネックレスを買いに行くのか。
いつもそうだよな。俺が選んだのがいいんだろ。知ってるよ。
そんなことを考えながら歩く。
なんだか足が重い。自分の足じゃないみたいだ。
思ったように動かない足で転ばないように歩く。
だめだ、疲れる。休もう。ベンチがあるから。休もうよ。
””わかった。少しだけね。時間ないから。”“
なんだよ、時間ないって。タイムリミット?なんなのか教えてくれ。
足をマッサージしようとふくらはぎに手を伸ばす。
冷たいな。血行が悪いのかもしれない。
そう思って視線を下にやると、俺の足は透けていた。
透けていた、というより半透明になっていた。
””ほら、だから早く行こうってば。”“
俺は不安と恐怖で大声を出した。
なんなんだ。どういうことか教えろ。今すぐ。
””うん。”“
そこから少しだけ時間があった。俺は黙って彼女の口が開くのを待った。
””核爆発の事故で貴方は死んだの。逃げ遅れたから。今の政府の配慮で一人につき人生で一回だけ、時間を買って希望した人を擬似的に生き返らせることが出来るの。私が買えたのは45分だけ。だから私は貴方に出てきてもらった。ごめんね。ごめんね。”“
そう言って彼女は泣いた。そうか。俺は死んだのか。
そんな気はしていた。ここはドコだか分からないし、俺の記憶は止まっている。
わかったよ。買いに行こう。早くしないと時間なくなっちゃうし。
ネックレス買いに行こうよ。すぐそこだろ?
俺は立ち上がって彼女の手を引こうとした。
あれ、なんだ。彼女の手が掴めない。
ああ、そうか。もう時間がないから、だんだん体が消えていってるんだ。
ネックレスの一つくらい選んでやりたいのに。
俺は倒れた。もう俺の膝から下は完全に消えていた。
情けないな。何もしてあげられなかった。
彼女は俺を抱き寄せた。
””ごめんね。本当にありがとう。幸せだったよ。ありがとう。”“
泣きじゃくる彼女の顔を見ながら、俺は自分の体が消えていくのを待つしかなかった。
俺も楽しかった。幸せにしてくれてありがとう。ネックレスは羽根の形がいいよ。
それだけ喋るのがやっとだった。
ゆっくりと周りが白くなっていく。
あぁ、まただ。でも今は苦しくない。何も考えられなくなっていく。
さようなら。
“”45分が経過しました。タイムリミットです。”“
頭の中で声が響く。
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ここで目が覚めました。
少し前に見た夢の話です。不思議な夢もあるもんですね。
NIHA-C